Jaxel
Administrator
This post has been automatically generated by an RSS agent. Any new entries posted to this RSS feed will automatically create and stick a new thread for discussion. This thread will automatically unstick itself seven days after it's original post date.
Click here to read the original article: サウンドトラック発売!!
皆さんこんにちは。サウンドディレクターの中鶴潤一です。
『 SOULCALIBUR IV 』の発売からはや一ヶ月。皆さんとっても「熱い」夏を過ごされたのではないでしょうか?
そんな夏の締めくくりに、『 SOULCALIBUR IV 』のサウンドトラックCDはいかがでしょう?9月3日にマーベラスエンターテイメイント様からゲームで使用した全ての曲を収録したサウンドトラックCDが発売になりました。
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="DISPLAY: inline">
『ソウルキャリバーIV オリジナルサウンドトラック』
発売元 :株式会社 マーベラスエンターテイメント
販売元 :ジェネオン エンタテインメント 株式会社
価格 :3,360円(税込)
発売日 :2008年9月3日
お問い合わせ :http://www.mmv.co.jp/(マーベラスエンターテイメント公式サイト)
これまでのソウルキャリバーシリーズのCDジャケットは比較的クールなものが多かったのですが、今回は「最終決戦」の緊張感を表現した「ホットな」ジャケットになっています。また、ゲームに収録されている音源は5.1chサラウンドで制作していますが、当然CDにはステレオ2chしか入りませんよね。そこでただダウンミックス(5.1chサラウンドで創られた音楽を2chステレオ状態に変更する作業)するのではなく、ステレオで聴いた時に一番良い音になる様、曲によってはミックスダウン(バラバラの素材を音楽としてバランスを取る作業)をやり直したりしながら、ベストの形になる様に仕上げてみました。
既にご購入頂いた方はその辺をゲームと比較するのも楽しいと思いますし、まだの方は是非一度聴いてみて下さい。
さて、今回は「曲名」について少しお話しましょう。
ソウルキャリバーシリーズの楽曲には、どの曲にも魂のこもった素晴らしいタイトルが日本語と英語で付けられています。これはプロジェクトのサウンド担当のプランナーが、あーでもない、こーでもないと必死に頭を回転させて生み出した結果で、毎回彼らには頭が下がります。またシリーズの中では複数の人が担当しているのですが、ちゃんとシリーズの世界観を踏襲しつつ、毎回新しいアイディアを出しているのです。凄い!
そんな秀逸な曲名達ですが、曲名が付くのは開発終盤になってからの事が多く、それまでは仮のタイトルだったり開発用のコードネームで呼ばれている事がほとんどなので、開発メンバー(含む作曲者)は正式な曲名を言われてもあまりピンと来なかったりするのです。(せっかく曲名を考えてくれている人に、ほんとに申し訳ないんですけど・・・・・・)
例えば、モードセレクトの曲(サントラdisc1の3曲目「REVELATION」太古の黙示)は、ゲーム開発がスタートした時、最初に創った曲でした。モードセレクトやキャラクターセレクトは、ゲームのイメージを印象付ける大事な役目も負っていますので、最初に取りかかりました。こういったゲームの進行や定番の曲は「システム系の曲」とカテゴライズする事が多いので、この曲のコードネームはBGM_sys002と呼んでいました。(BGMのシステム系で2番目の曲という意味ですね)ただ、これだけでもわかりにくいので、結局「モードセレクトBGM」と呼ぶのが一番多かったですけど(笑)
サントラdisc1の6曲目「IMMACULATE PLEDGE」(その誓いに一点の穢れなし)は、テスモポリス庭園宮のステージBGMで、主にカサンドラやソフィーティアをイメージしています。このステージもソウルキャリバーシリーズの中ではお馴染みの定番ステージですね。『 III 』ではエウリュディケ神殿・神々の門がそれにあたりますが、曲名は「FEARLESS EYES」(その瞳に恐れの色なし)でした。
また『 II 』ではエウリュディケ神殿回廊というステージで、曲名は「UNWAVERING RESOLVE」(その決意に一片の曇りなし)という具合に、なんとなく流れが受け継がれて来ているのがわかりますね。でも開発メンバーは「ギリシャステージ」とまとめて呼んでいたりするのです(笑)。ちなみにステージに関するBGMの場合は、BGM_stg●●●(●●●はステージの開発コード)と呼んでいます。この「ギリシャステージ」シリーズは、曲名にも表れている通り世界観や流れを重視していて、思い入れの強い曲の一つです。曲調もステージの雰囲気をキープしつつ、ソウルキャリバーらしい壮大な世界観を表現しようと思って制作しています。このステージ曲のプリプロダクション(試作)が完成すると、「今回も行けそうかな」という自分自身の手応えも感じられる、一種のバロメータとも言えるかもしれません。
一方ですっかり定着した曲名もあります。「PATH OF DESTINY」(エンドロール)はその代表的な曲ですね。『 II 』から『 IV 』まで毎回少しずつ形を変えながら進化してきた曲で、実はソウルキャリバーシリーズのテーマ曲的な意味合いも持っています。ちなみにこの曲は『 I 』でも使われていたのを皆さんご存知でしたか?『 I 』では「GOING TO WHERE THE WIND BLOWS」(風に吹かれるがまま)という曲名で、ゲーム中のミュージアムモードでキャラクターのイラスト等を見るスライドショーのBGMとして創っています。この時は1分半くらいの短い曲だったのですが、『 II 』では構成を大幅に増やして5分半の曲に、『 III 』では更に構成が増えて6分半という大曲になってしまいました。ちなみに『 IV 』では更に10秒増えて、6分40秒です。どこまでいくのでしょう?(笑)お陰で、毎回続々増えるスタッフロールにもなんとか対応できているんですね。この曲は海外のオーケストラコンサートでも度々演奏されていて、毎回どんな演奏になるか楽しみに聴いています。国内でも演奏して頂ける機会があるといいんですけどね。(どなたか是非に)
そんな素敵な曲名が、ゲームやサントラが世に出た時、正式名称として歩き出す瞬間が、毎回とても楽しみです。それまでは「自分が創ったもの」という意識が強いのですが、その瞬間からは「ゲームのものであり皆さんに楽しんでもらうもの」という少し客観的な見方に変わって、皆さんの反応をドキドキしながら楽しんでいる、今はそんな気持ちでこの文章を書いています。
さてこのサントラ発売記念ブログ、何回か書いて良いという事らしいので、次回はもう少し掘り下げた内容をお話したいと思います。とりあえずネタ探しをしてきますので、皆さん楽しみにまっていて下さいね。ご興味がある方は、是非サントラCDも聴いてみて下さい。
それではまた。
サウンドディレクター 中鶴潤一
Click here to read the original article: サウンドトラック発売!!
皆さんこんにちは。サウンドディレクターの中鶴潤一です。
『 SOULCALIBUR IV 』の発売からはや一ヶ月。皆さんとっても「熱い」夏を過ごされたのではないでしょうか?
そんな夏の締めくくりに、『 SOULCALIBUR IV 』のサウンドトラックCDはいかがでしょう?9月3日にマーベラスエンターテイメイント様からゲームで使用した全ての曲を収録したサウンドトラックCDが発売になりました。
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="DISPLAY: inline">

『ソウルキャリバーIV オリジナルサウンドトラック』
発売元 :株式会社 マーベラスエンターテイメント
販売元 :ジェネオン エンタテインメント 株式会社
価格 :3,360円(税込)
発売日 :2008年9月3日
お問い合わせ :http://www.mmv.co.jp/(マーベラスエンターテイメント公式サイト)
これまでのソウルキャリバーシリーズのCDジャケットは比較的クールなものが多かったのですが、今回は「最終決戦」の緊張感を表現した「ホットな」ジャケットになっています。また、ゲームに収録されている音源は5.1chサラウンドで制作していますが、当然CDにはステレオ2chしか入りませんよね。そこでただダウンミックス(5.1chサラウンドで創られた音楽を2chステレオ状態に変更する作業)するのではなく、ステレオで聴いた時に一番良い音になる様、曲によってはミックスダウン(バラバラの素材を音楽としてバランスを取る作業)をやり直したりしながら、ベストの形になる様に仕上げてみました。
既にご購入頂いた方はその辺をゲームと比較するのも楽しいと思いますし、まだの方は是非一度聴いてみて下さい。
さて、今回は「曲名」について少しお話しましょう。
ソウルキャリバーシリーズの楽曲には、どの曲にも魂のこもった素晴らしいタイトルが日本語と英語で付けられています。これはプロジェクトのサウンド担当のプランナーが、あーでもない、こーでもないと必死に頭を回転させて生み出した結果で、毎回彼らには頭が下がります。またシリーズの中では複数の人が担当しているのですが、ちゃんとシリーズの世界観を踏襲しつつ、毎回新しいアイディアを出しているのです。凄い!
そんな秀逸な曲名達ですが、曲名が付くのは開発終盤になってからの事が多く、それまでは仮のタイトルだったり開発用のコードネームで呼ばれている事がほとんどなので、開発メンバー(含む作曲者)は正式な曲名を言われてもあまりピンと来なかったりするのです。(せっかく曲名を考えてくれている人に、ほんとに申し訳ないんですけど・・・・・・)
例えば、モードセレクトの曲(サントラdisc1の3曲目「REVELATION」太古の黙示)は、ゲーム開発がスタートした時、最初に創った曲でした。モードセレクトやキャラクターセレクトは、ゲームのイメージを印象付ける大事な役目も負っていますので、最初に取りかかりました。こういったゲームの進行や定番の曲は「システム系の曲」とカテゴライズする事が多いので、この曲のコードネームはBGM_sys002と呼んでいました。(BGMのシステム系で2番目の曲という意味ですね)ただ、これだけでもわかりにくいので、結局「モードセレクトBGM」と呼ぶのが一番多かったですけど(笑)
サントラdisc1の6曲目「IMMACULATE PLEDGE」(その誓いに一点の穢れなし)は、テスモポリス庭園宮のステージBGMで、主にカサンドラやソフィーティアをイメージしています。このステージもソウルキャリバーシリーズの中ではお馴染みの定番ステージですね。『 III 』ではエウリュディケ神殿・神々の門がそれにあたりますが、曲名は「FEARLESS EYES」(その瞳に恐れの色なし)でした。
また『 II 』ではエウリュディケ神殿回廊というステージで、曲名は「UNWAVERING RESOLVE」(その決意に一片の曇りなし)という具合に、なんとなく流れが受け継がれて来ているのがわかりますね。でも開発メンバーは「ギリシャステージ」とまとめて呼んでいたりするのです(笑)。ちなみにステージに関するBGMの場合は、BGM_stg●●●(●●●はステージの開発コード)と呼んでいます。この「ギリシャステージ」シリーズは、曲名にも表れている通り世界観や流れを重視していて、思い入れの強い曲の一つです。曲調もステージの雰囲気をキープしつつ、ソウルキャリバーらしい壮大な世界観を表現しようと思って制作しています。このステージ曲のプリプロダクション(試作)が完成すると、「今回も行けそうかな」という自分自身の手応えも感じられる、一種のバロメータとも言えるかもしれません。
一方ですっかり定着した曲名もあります。「PATH OF DESTINY」(エンドロール)はその代表的な曲ですね。『 II 』から『 IV 』まで毎回少しずつ形を変えながら進化してきた曲で、実はソウルキャリバーシリーズのテーマ曲的な意味合いも持っています。ちなみにこの曲は『 I 』でも使われていたのを皆さんご存知でしたか?『 I 』では「GOING TO WHERE THE WIND BLOWS」(風に吹かれるがまま)という曲名で、ゲーム中のミュージアムモードでキャラクターのイラスト等を見るスライドショーのBGMとして創っています。この時は1分半くらいの短い曲だったのですが、『 II 』では構成を大幅に増やして5分半の曲に、『 III 』では更に構成が増えて6分半という大曲になってしまいました。ちなみに『 IV 』では更に10秒増えて、6分40秒です。どこまでいくのでしょう?(笑)お陰で、毎回続々増えるスタッフロールにもなんとか対応できているんですね。この曲は海外のオーケストラコンサートでも度々演奏されていて、毎回どんな演奏になるか楽しみに聴いています。国内でも演奏して頂ける機会があるといいんですけどね。(どなたか是非に)
そんな素敵な曲名が、ゲームやサントラが世に出た時、正式名称として歩き出す瞬間が、毎回とても楽しみです。それまでは「自分が創ったもの」という意識が強いのですが、その瞬間からは「ゲームのものであり皆さんに楽しんでもらうもの」という少し客観的な見方に変わって、皆さんの反応をドキドキしながら楽しんでいる、今はそんな気持ちでこの文章を書いています。
さてこのサントラ発売記念ブログ、何回か書いて良いという事らしいので、次回はもう少し掘り下げた内容をお話したいと思います。とりあえずネタ探しをしてきますので、皆さん楽しみにまっていて下さいね。ご興味がある方は、是非サントラCDも聴いてみて下さい。
それではまた。
サウンドディレクター 中鶴潤一